夜咄
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夜咄は夜に行う茶事になります。あまり行う方が少ないとお聞きします。私の場合は仕事が終わってから茶事をやる事が多いので冬は夜咄、夏は夕ざりが必然的に多くなります。料理を料理人を呼んでというと予定を合わせるのに大変になりますが、自分で作れば自分のスケジュールで行う事が出来ます。
茶懐石が難しいと考える方が多くございますが、あくまでも濃茶を飲む前の腹ごしらえなので料理人のような料理は逆に邪魔になる事さえあります。
この前、料理人さんが煮物椀に湯葉シンジョウにかぶら餡掛けの煮物椀を出しました。しかしこれでは、かぶらを味わうのか、湯葉シンジョウを味わうのか分からない、しかも湯葉シンジョウの味がかぶら餡で味が分かり難くなっている。
それならばかぶら蒸しでかぶを味わう煮物椀にするか、
湯葉シンジョウに澄ました汁で出す。
その方が茶には向いています。利休型と呼ばれる物は晩年の利休が確立しました。シンプルを味わうという事です。
宴会料理とは異なります。料理人は腕をふるいたく凝った料理を出したがりますが、それは茶懐石とは違います。
茶懐石の料理人と名乗る人でも陥りやすいものです。茶懐石は自分達で作れる物を出すぐらいがちょうど良いのです。
これは私達庭師も同じで茶庭に自分の技術を盛り込もうとして石積みや池などを作るようなもので私達も戒めなくてはなりません。
利休型とは目に見える形を追う事では無く、質感、手触りの素材その物を味わう事です。