暁の茶事 懐石
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暁の茶事の懐石も後半になり、亭主相伴の後の小吸物となります。
これがまた裏千家と表千家が全く違います。小吸物を裏千家では煮物椀の隣に出します。つまり客から見ると折敷の向こうにある煮物椀の右隣に出されてそこに置いておきます。
表千家では小吸物椀を自分の縁内に取り込みます。最初はそうなんだと感心しておりましたが、この理由が八寸の時に繋がっていく事となります。八寸を亭主が持ち出すと裏千家では小吸物椀の蓋は亭主が開けてその上に海の物を乗せてそれを亭主が畳の上に置きます。表千家では小吸物椀の蓋は客自身が開けて亭主に渡し、亭主は海の物を蓋に乗せて客へ手渡しをします。その為に裏千家では亭主が取りやすいように折敷の向こうに小吸物椀を置き、表千家では客が取りやすいように小吸物椀を取り込みます。
その前に大きく違うのは一献ついだら裏千家ではそのまま飲みます。その間に八寸から海の物を取りますが、表千家では一献ついだら客は盃を飲まずに一度置いて八寸を亭主から預かり、八寸の中身を拝見してから亭主を返してから一献いただき小吸物椀の蓋を亭主に渡します。裏千家の茶事は早いとよく言われますがなるほどこれほど違うのかと席中で談笑しました。とても良い時間でした。