夜咄の手燭
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夜咄の手燭のつづき
中立から後入 この時は鳴物の音を聞きます。裏千家は夜咄は喚鐘を鳴らして席入を促します。鳴物が終わりましたら腰掛の円座をあげます。
この時に正客は手燭を持って照らしてあげて詰が片付けるのを待ってあげるのが良いでしょう。蹲踞に進みます。
その時は雁行です。他の茶事なら鳴物が終われば正客から随時蹲踞に行きますが、夜咄と夕ざりだけは暗闇なので雁行になります。暁は中立の時点では夜が明けています。
ここで庭師のして大事なのが飛石の据え方です。茶庭はこの夜咄に対応出来るように飛石を暗闇でも歩き易く据えます。これが非常に難しく、だいたいの茶庭風の庭は夜咄を想定してないので見た目はカッコ良いが歩き辛くなっています。きちんと茶事に対応する為に飛石を据えると質素でつまらなくなります。しかし、茶庭は茶事をする為の物であり、
けして観賞用の物ではありません。しかし、昼間の観賞に耐えうる景色も造らねばなりません。
それが難しいところです。
それに夜咄の時は暗いので着物が庭木にぶつかりやすく汚れてしまいます。それゆえに植栽も飛石を歩いている時に体に触らないようにしなければなりません。
茶庭は狭い所に作るのですが、狭いのに使いやすい。
じつは世の中の使いやすいのは誰も気づかれません。茶庭の良し悪し見た目で分からないので気づかれないものです。