夜咄の手燭
- ブログ

席入すると、裏千家の場合は炭に石菖が入れて床に飾ってあります。そこに手燭があり、床を拝見し茶入を拝見、詰は茶道口に手燭を返します。その返ってきた手燭を確認して亭主は茶道口を開けて手燭を引き、新しい手燭を建水と共に持ち出し短けいの脇におきます。濃茶を点てたら濃茶の茶碗と一緒に手燭はついていきます。理由は濃茶の茶碗は拝見するからで手燭は拝見について行く物なので手燭を出します。
茶碗の拝見が終わったら亭主に茶碗と手燭を返します。亭主は手燭を短けいの場所に戻します。そのあとは夜咄なので続薄です。裏千家の場合の続薄は正客が薄茶の途中で点前座が道具で邪魔にならないようにとの配慮から茶入と仕覆を正客が預かります。ただ、茶入と仕覆を出した時に手燭は出ません。薄茶の最後の茶杓、棗を出してから手燭を出し、手燭は拝見物と一緒に周ります。詰は道具を道具畳に返し手燭を茶道口に返します。
亭主は手燭を引いてから道具の問答をします。その後は箱炭斗を持ちだしますが、この時は拝見がないので手燭は持ち出しません。
最後、礼を述べて躙口から出ると手燭がありますので正客はそれを持ち手燭で連客が露地草履を履くのを照らすと良いでしょう。その際には正客だけ一歩ずれて立っていられる飛石を据えて置くのが、本当の茶事を知っている庭師となります。
正客が手燭を持ち、亭主との残心の礼を交わし雁行で露地を後にします。