出光美術館 茶の湯の床飾 12
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佐竹本三十六歌仙 「柿本人麿」
三十六歌仙でとても人気があった柿本人麿です。
佐竹本は残念な事に大正八年の佐竹本切断により、三十六もの断簡になってしまいました。
文化財を守る為に文化財に傷をつけるというなんとも悲しい事件ではあります。
柿本人麿は断簡になってもやはり人気があり歌聖と呼ばれおります。
佐竹本はとても素晴らしい品と雰囲気をもっておりました。
片膝を立てて座る姿の人麿、この立ててある膝の事を「歌詠み足」と言います。
桃山期までの茶人はこの片方の立膝の姿で茶を点てていたと思われます。
江戸初期の記録によると、正座で茶を点てるようになるのは、宗旦より後の事だと思われます。
ある文献に、道安は太っていたのでこの立膝で茶を点てるのも苦しかったとの記録があるそうです。