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出光美術館 茶の湯の床飾 7

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一休宗純

「諸悪莫作衆善奉行」

言葉の意味は茶の湯を行っておられる方であれば良くご存知の禅語であります。

一休は昔はアニメ「一休さん」として放送されていたので、ある程度の年齢の方にはご存知だと思います。

一休宗純は大徳寺の塔頭の真珠庵の開祖となっています。真珠庵の名の由来は、いくつかありますが、

昔、ある歴史家の先生に教えてもらった話しがとても素敵でした。ぼろぼろの庵に雪の日に雪が隙間から入り月あかりに照らされて真珠のように輝いていた積もった雪がきらきらとしていて、一休が真珠庵と名を付けたと言う事です。

この話しは中国の北宋時代の禅寺にもこの話しがあります。この北宋の故事にちなんで一休が名付けたとも言われております。

茶の湯では、一休宗純は村田珠光の参禅の師と言われております。

その後に村田珠光の侘茶は武野紹鷗に伝わり、千利休に伝えられたと言われております。

あくまでも、茶人の口伝えではあります。

学術的には歴史的に村田珠光は存在自体も不確かな人なのでなんとも言えないところでは有ります。

今は村田珠光ではなく珠光(しゅこう、と濁らない)と呼ばれる事が主流となっています。

桃山期の古い物には周光(しゅこう、同音違語)と書いてある物もありますので、しゅこうと呼ばれていたのでしょう。

唯一、存在を証明すると言われる「心の文」も今は行方知れずになっております。

心の文は、第一次資料でこの紙の材質を調べれば実際の時代が分かり、珠光の存在が証明出来る、もしくは、逆に証明がより不確かになります。

話しがそれてしまいましたが、一休宗純の書はその勢いのあるお人柄が滲み出ている字ですね。

 

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