京都 壬生寺2 大炉
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今の時期の茶事の楽しみとして大炉の茶事があり、亭主の修練がほんとうに必要な茶事となります。
茶事とは、言葉にならない程の稽古の修練の先にあり、修練なき茶事は無茶苦茶になってしまいます。(茶が無い)
裏千家の茶は、あくまでも侘び茶を行っており目に鮮やかな豪華な品々を並べたてる事なく、江戸時代の身分の低い町人でも使っても良い道具や身分にあったお点前を行なっております。
歴代お家元の好みの道具は、これは使っても良し!とのお墨付きで身分制度の厳しい時代にお家元みずから示してくれた道具の数々です。その中には裏千家だけに大炉という炉があります。
大炉が切ってある今日庵の六畳の部屋には法護普須磨にという襖にお点前が書いてあり、何をなすべきかという、修練の厳しさが書いてあります。
大炉の茶事の見どころは、なんと言っても後炭です。
大炉の茶事では、逆勝手なので懐石のお運びも左足から入りますので最初から頭はパニックになります。それでも亭主が気持ちを切らす事なく、後炭まで辿り着き、見事な後炭を行うと、日頃より厳しい修練をくぐり抜けた亭主の心の在り方を見る事ができます。
その姿を客は見て頭が下がり、亭主と客がお互いを尊重し一座建立は深めあっていきます。
大炉の茶事は侘びた風情の中に厳しさが存在する茶事です。