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京都国立博物館 茶の湯2 君台観左右帳記

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今回、拝見した中で心にとまったものを、いくつかご紹介させて頂きたいと思います。

君台観左右帳記の東北大学本でございます。

君台観左右帳記は室町幕府八代将軍の東山殿の足利義政の御物(ごもつ)の記録でございます。

確か昭和の研究者の方が東山御物を「ひがしやまぎょぶつ」と読んだ事がひろまりましたが正式には「ごもつ」だそうです。将軍家の道具は「ごもつ」で「ぎょぶつ」は皇族の宝だとお聞きしております。

この、君台観左右帳記は室町時代に編纂されましたが、書院飾りの本であった為に御成り(貴人が訪ねて来る事)があった場合に書院の飾り方として手本とされ、写本されました。江戸時代にもそれは続き幕末まで写されたといいます。

幕末の君台観左右帳記はすでに原型から離れ水泳の仕方まで書いてある物まであるとの事です。

室町時代に書かれた古い君台観左右帳記ですが、特に有名なのが東北大学が持っている「東北大学本」でございます。

その他に千葉県佐倉市にある国立民族博物館にも古い時代の君台観左右帳記があると聞きます。

研究者の中には左帳記(上巻)、右帳記(下巻)に分かれていて合わせて左右帳記だと言うことも、話しもお聞きした事があります。その点に関しては、歴史家の方に研究を委ねる事としたいと思います。

かつて世界文化社より、この東北大学本の写しと解説が出版されていましたが絶版されております。千家の茶とは学習する内容が違いますのでかなりマニアな方では無いと見たいと言う欲望にはならないのが正直な事実だと思います。

君台観左右帳記は室町時代の価値観、つまり唐物道具の真の会所の茶を知るの基本となる資料となります。

今の時代だからこそ拝見出来る物でございます。

もし、江戸、明治、大正に生を受けたならば、君台観左右帳記の名も知らずに人生の最後をまっとうした事でしょう。

ありがたい世の中になりました。感謝

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