いよいよ風炉になりました。
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ホトトギスの鳴く頃に風炉にすると昔は言ったようですが、今は五月から風炉になります。
風炉が始まると、茶人の腕の見せ所の灰型になります。
裏千家では二文字押切が主流となります。
炉の灰は洗いますが、風炉の灰は洗ってはいけません。
かつて、ある茶会のときに亭主の方が火のおこりを良くしようとして灰を洗い、さらに灰を天日干しにして持って来られた事があります。
そのときに灰型を頼まれていたので二文字押切を作ろうとしたのですが、まったく灰にコシが無く、山にならなかったです。
普段30分もあれば灰型が終わるのですが、1時間たっても形にならずに茶会まで時間が無く冷や汗が吹き出してしまいました。
その時にかつて他の流派の灰型を作った事を思い出し、裏千家流の灰匙でそっと撫でるやり方では無く、灰を灰匙で押して固めて高くしていく方法を思い出し、なんとか茶会に出せるような灰型には一応はなりました。
そんな昔話しを灰型をしていると思い出します。いろいろな経験がピンチを救ってくれるようです。それは一見、無駄なようにも見えますが、大事な事のようです。