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裏千家の茶庭

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裏千家の茶庭は裏千家好の形があります。これは断言します。よく、庭を造る方に茶庭には裏も表も流儀は関係無く茶庭は同じと言う方がいます。

それはまったく違います。お点前が流派で違うので茶事の流れが違うのです。しかも東京の裏千家の好みがあります。

裏千家の独特の動きとして亭主が水張桶を蹲踞に持って来た時に左の石に桶を置きます。江戸時代初期、中期頃からの本で左の石に桶を置くのは稀です。しかし、造園の試験でなぜかこの石の据え方が採用されて左に桶を乗せる湯桶石が据えられる。

これは裏千家独特の置き方です。さらに枝折戸の開ける方向の決まり事、

塵穴の形、これは広瀬拙齋の寸法録にきちんと広間は四角で小間は丸と書いてあります。拙齋は円能斎の弟です。と言う事は宗家の好みと言っても良いでしょう。現在の今日庵の塵穴がその決まりに沿ってはいません。それは寸法録の前の時代の事だったり、増築を重ねているのでそのようにはならなかったりしています。

しかし、寸法録に書いてあるのはそのようにすべきという事です。また、露地柄杓の寸法も決められているので自ずと手水鉢と前石の距離も決まってしまいます。

ある庭師が手水鉢と前足の距離は関係なく柄杓を作れば良いと言ってましたが、他の流派でなら可能でしょうが裏千家は寸法が決まってます。わざわざ宗家の好みを変えてまで行う必要は無いです。また、茶事の最後のお見送りは裏千家の場合は正客は躙口を出たら、一度並んでいる飛石から避けて次客が一番奥まで進んで並び替えます。この時に正客が避ける為に乗る石が必要なのです。他の流派ですと正客が1番奥まで進む事が多いのですが裏千家は入れ替わります。その流れを知らずに全て茶庭は同じだと言うのまったくもって違います。裏千家の茶庭を専門にしていると言うと「なぜ?」と聞かれるので裏千家の細かな決まりを取り入れて茶事や稽古がやり易い茶庭を作っているからとなります。

 

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