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東京の裏千家の茶庭の特徴

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日頃より裏千家の茶庭の仕事がとても多いです。そうすると裏千家の先生方の好みに一定の法則があるのが見えて来ます。特に色彩によるものは東京らしいと思います。茶色の石達と砂利敷き、そしてグランドカバーの玉竜の濃い緑色のコントラスト。そこに紅葉を植える。

東京は住宅街なので露地といってもわずかなスペースを活用しているのでギリギリのところに作っている。

根津美術館などの数寄者の広い庭とは違い、裏千家は女性の稽古を中心として広がっていた背景があり、

茶事を中心とした近代数寄者の庭とは違う、変わった灯籠や珍しい樹木を入れる必要はない。狭くても稽古が出来るように設計されていなければならない。

庭が狭い場所が多いので蹲踞の役石が小さい。また、京都のように茶庭に精通している職人が少なく、役石は飾りとなっている。また、手水鉢の石の口が小さくこれは江戸物と言われるようだ。小さいものしか流通していないので東京で買うと選択肢が無いのが現状である。また施工の職人も造園技能士などの試験の勉強すると小さな役石を据えているのでそれが当たり前だと思っている。

飛石は鞍馬や新鞍馬の赤っぽい石、大きさは30センチ内外で並べる。サビ砂利を敷く。茶庭なら砂利を敷かずにそのままが茶庭の本来の姿でしょう。また手水鉢の据え方が高い。これも造園技能士の試験の寸法が茶庭だと信じている。

また、ご年配の方々達は麹町の東京道場のイメージがあり、それに似たような茶庭が広まり、茶庭は茶色の飛石を並べ、サビ砂利を敷く、東京には小さな手水鉢しか無いのでそれを庭に据える。このような経緯のようです。

これが東京の裏千家の庭という感じです。

蹲踞の役石は大きく無いと使えない、手水鉢はやや低いぐらいがちょうどよく、水を落とす海は深い方が良い。そのような手直しが多く、「庭が使いづらいからなんとかならないですか」との相談をたくさん受けて、たくさん直しています。

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