朝茶事の煮物椀
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朝茶事での献立はなかなか難しいところがあります。
朝なので重くなく、それでいて「おもてなし」がこもっている物を出すのは難しいです。
友人の朝茶事での煮物椀の事なのですが、とろける濃厚な汁に冬瓜が具として入っていました。
この汁がポタージュのように濃厚でコクがあり、とても美味い!謎の汁でした。お聞きすると
「湯葉のすり流し」というもの、で湯葉をすり鉢で擦って裏漉しをして出汁と合わせて、出汁でたいた冬瓜を合わせて青柚子を刻んで入れてあるとの事、
その労力やいかに!!!
おそれ入りました。朝茶事ですよ。
朝の何時から支度をしたのか、眠い目を擦りながらすり鉢で擦った話しを聞き、感動を覚えました。たった一椀の煮物椀に全身全霊を込める。
お茶を点てるだけではなく、この「おもてなし」があってこの人のお茶が飲みたいと思わせる。
茶の湯は茶を飲む訳ではなく、その人の人格を味わうのでしょう。