朝茶事、表千家の友人
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表千家の友人より、朝茶事にお伺いしました。
朝の6時過ぎより寄付へ、まだ涼しく心地の良い空気です。
寄付で白湯をいただき、腰掛へ進みました。
迎え付けは表千家の戸の所でしゃがんで迎え付けをしてくださります。
今回は詰を務めました。
正客、次客、三客、詰の四人が裏千家で茶を学ぶ男子です。普段は亭主や正客は多くのお弟子さんを抱える茶の指導者です。
蹲踞を使い、初入です。涼しげな軸が飾ってありました。古い禅僧の一行の軸です。字にピッタリの侘びた表具で素晴らしい。
驚いたのは風炉が楽焼だったのです。
この時期、紅鉢や切掛が多い中、小ぶりな楽の風炉とは!カッコいい!の一言。
しかし、風炉が楽なら濃茶で何の茶碗を使うのだろう?と思いました。
ご挨拶をして朝茶事なのですぐに炭手前、涼しげで朝茶事らしく軽い道具の道具の数々で心地よい。
懐石になり、伏傘でした。伏傘とは飯椀に汁椀を被せて出してくるもので、汁を後から出してきます。
カナイロで汁替は無く、中は赤味噌の汁に山椒の粉がふってあり、本当に清涼感たっぷりの汁でした。
向付は焼いたカマスときゅうりと青紫蘇。煮物椀が冬瓜の具です。煮物椀の汁が驚いた事に湯葉をすり鉢で擦って細かくして出しと合わせて青のりを振ってある汁で、これが驚くほど美味しかったです。
その後、質の良いジュンサイ、香の物が朝茶事なので5種で、主菓子が亭主が手作りのお菓子で道明寺を寒天で固め、見た目がまるで天の川の様なお菓子でした。文章では説明できません。
その後、中立です。鳴物が裏千家とは違い喚鐘でした。
本席に入ると床には、この時期ならではの「はぜ壺」が釣られ花が生けてありました。水指は釣瓶でした。
濃茶が始まり、茶碗が「萩焼!」これが何とも言えずに取り合わせが素晴らしい。
楽の風炉なので萩の茶碗がピッタリです。
また白い釉薬が涼しげ、これほど、萩の茶碗が美しく見える取り合わせは初めてみました。
「やられたー」と客が思いましたら亭主はニヤリと「してやったり」との表情、
亭主はこの瞬間が一番気持ち良いのです。
客も気持ち良い。心地よい無音の空気の中に共鳴しあう笑顔。その後は朝茶事なので続薄茶で談笑しながら時を味わっていました。やはり、茶は楽しい。過ぎゆく時間を心地よい仲間と味わい尽くす。良い一日の始まりでした。
茶事なので写真は撮りません、携帯などの電気器具から完全に離れる時間もいい物です。