夏の夜の茶事
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庭師仲間と茶事、仕事が終わってからの午後7時過ぎより、自宅のリビングで茶事を行いました。
炭手前は無しです。
汲出で白湯を飲んでもらい。
懐石に移りました。材料は近所のデパートの魚屋さんやスーパーで十分です。冷蔵の技術もあがりどこでも新鮮な物が手に入ります。
ご飯を鍋で炊いて一文字、
汁は焼き豆腐に赤味噌と辛子を乗せて、向付はエビをボイルしクラゲとカイワレを乗せ、暑い日が続いていたのでぽん酢とワサビで食べてもらいました。
この日はみんな仕事帰りで車なのでお酒は飲めなかったのでお酒の替わりに経口補水液をお銚子に入れて、盃を盃台に乗せて出しました。飯器を持ち出し、汁替をして、
煮物椀は穴子を焼いて、ズッキーニを出汁でたいたものを椀に入れて、吸い口を山椒の葉にしました。仕事で作業の合間に採ってきた山椒です。またお銚子に経口補水液を入れて出し、お銚子は末客に預け、
次に焼物を出しました。今回は茄子です。国分寺の農家さんの無人販売所で売っていた茄子が大きかったので焼いて田楽味噌をつけて出しました。
預鉢は胡麻和え、これも国分寺の無人販売所で売っていたほうれん草を茹でて、火で炙った油揚げとあえて、上に仕事の合間に採ったミョウガを刻んでのせました。
飯器を持ち出して預けて、汁替を促し、お決まりの汁替の辞退をされて台所に下り、
「水屋にて相伴させて頂きますが何かご用がございましたら手を鳴らしてお知らせくださいませ」と伝え亭主相伴をしました。
戸を開けて一応は「いかがでございましたでしょうか」の挨拶はします。
次は箸洗いの小吸物、今回出汁を取った昆布を結び昆布にして小吸物に入れてだしました。
続いて八寸、これは千鳥は流石に遅くなるので略千鳥で海と山を二種盛にしました。オクラの塩茹とカマボコを炙って出しました。
香の物とゆとうを持ち出し、「お湯が足りません時はお手を鳴らしてお知らせくださいませ」にて台所へ、
その間に台所で食器の洗い物をどんどん進めて行きます。箸の「カチャン」と落とす音で折敷を取りに行きます。
続いて菓子、これは国分寺マルイの一階の「青木屋」さんで若鮎を買って来ました。
中立もせずに、そのまま抹茶を点てました。夏の時期なので瓶掛を風炉にかけてあったのでそのまま茶箱「卯の花」で薄茶を出しました。
濃茶は省略しました。懐石はちゃんと出しましたが、炭手前の省略と濃茶をせずに薄茶(茶箱)略千鳥と仕事が終わってから集まっても茶事は出来ますね。
今回は自宅なので料理も亭主も一人で行いました。その後も友人達と語らい。そして楽しみました。
みんな「どっかに飲みに行くよりこっちの方が楽しい」との感想で嬉しく思いました。
※本来は茶事をやるために点前の稽古があります。
しかし、茶事や茶会をせずに点前の為の稽古ばかりになってしまうと茶事というものが究極と思われがちですが、
茶事が茶の湯の基本形で、その中に点前があり、花があり、道具があり、おもてなしがあります。
もっと身近なものになって貰いたいと願っております。
茶の湯は茶事の亭主が1番面白いです。