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夜咄の茶事

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夜咄の茶事の前礼が届きました。12月になると夜が長いので夜咄ですね。今年は夜咄は2回ほど、正客としてお呼ばれしております。楽しみです。

夜咄の一般的な流れですが、

寄付で甘酒、

迎付、手燭の交換

蹲踞に湯桶が出されます。これは温かい湯を蓋付の水張桶(これを湯桶と言う)に入れて左側の石の上に置いてあります。若い人は湯を使う事は良しとしません。はたして何歳までなのでしょう。茶庭専門の庭師の大先輩の金綱さん造園事務所の親方はどんなに歳をとっても使わないとおっしゃってました。冷たい水でやる事が身を清める修行だと言う事なのでしょう。裏千家の場合は湯桶の湯の温度が高いので左手で湯桶の蓋を持ち上げ露地柄杓で湯を半分ぐらい汲んだら、手水鉢の水で薄めてぬるくして手と口を清めると良いです。表千家の場合、蓋無しの湯桶が右側の石に乗っており、ちょうど良い加減のお湯なのでそのまま露地柄杓で湯桶から湯をすくって手と口と清める事が出来ます。

席入の時、詰は躙口に火が付いたままの手燭を置いておきます。消してから置くのは灯りを再度使わない暁の茶事の時にはそのようにします。

初座

手職が床にあるのでその灯りで軸を見ます。詰が見終わったら手燭を茶道口へ置きます。この灯りが亭主への軸を見終わったという合図になるので、茶道口に置きます。亭主は灯りが茶道口に返って来たから茶道口から出て挨拶をします。

前茶

甘酒を飲んでいるので抹茶を飲みます。お点前は常使いの道具なので拝見無し水指無し、柄杓は取り使い。

客はおもあいで飲む、茶碗の茶を半分づつ2人で飲む、1人で1碗は飲まないので省略している。

初炭

亭主は拝見に出す道具と手燭は一緒に客に出します。夜咄の茶事の法則だと思うと良いでしょう。

懐石

燭台を持ち出します。蝋燭の炎が落ちて暗くなったら、この時に燭台の蝋燭の芯を切ります。

経験的な事を申しますと、和蝋燭ではそのような事をしますが洋蝋燭では必要ありません。そして和蝋燭より洋蝋燭の方が明るい。しかし、洋蝋燭は蝋が畳に落ちて固まって跡になる。和蝋燭は煤が出るので茶室と着物が汚れる。コロナになってマスクをつけて夜咄をやるようになりましたが、帰り道はマスクが白から黒に変わっています。最初は驚きました。懐石の向付は深向などの深い鉢に温かい物を入れる事が多いです。蓋付きの向付もあります。寒い時期ならではです。お菓子を食べて、

中立

腰掛には手炙りなどが置いてあります。鳴物は喚鐘を五点打つ、大小中中大(五点鐘)

 

 

 

※話しはそれますがYouTubeで茶人を名乗る人が陰陽の話しでお茶では昼は陽だから丸い銅鑼で夜は喚鐘と言っていた方がおりました。

はたしてそうなのでしょうか、表千家ではお昼に喚鐘をならします。夜咄で版木を使います。なので陰陽でそれを分けるのはいかがなものなのかと思います。

おなじような話しで裏千家の丸卓は合を伏せるのは丸い卓の陽なので合を伏せて陰にすると言う人もいますが、表千家では丸卓に合は上を向けます。陰陽では説明がつきません。このように自分の流派だけでお茶を語るのは注意が必要です。

話しは夜咄に戻り

 

 

後座

床には、セキショウが置いてあります。もしくは白い花。

濃茶、続薄茶。この時、濃茶の茶碗は手燭と一緒に出します。先程、書いたように拝見する物と手燭は一緒に客を周ります。

拝見に出す。もちろん手燭も一緒です。

夜咄ならでは、立炭で箱炭斗を持ち出します。この時になるべく早く炭が起きるように注ぎます。また、箱炭斗の火箸は畳につかずに左手で扱って持ち替えます。普通は台子の飾火箸以外は畳で箸先を突いて持ち替えます。これで終わりです。最後は送り礼で客をお送りします。

 

 

庭師としてこの経験をする事で石灯籠の位置や高さ、手燭石の位置などを理解しておりますので茶事の庭の提案が出来ます。

とはいえそんな当社の宣伝より皆さんには茶事をもっともっと楽しんで欲しいものです。

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